第11回 医療介護をささえる人たち

第11回 医療をささえる人たち ~ケアマネの可能性を多方面で追求中!

ピンチはチャンスを信じ福祉業界30余年

居宅介護支援事業所の管理者として、併設する訪問看護ステーションとともに要介護者をはじめ、がんや難病といった医療度の高い利用者の支援に取り組んでいる秋場隆章さん。事業所の立ち上げから関わり3年目を迎えた今も、学ぶことが多い日々だと話します。
「医療分野はほぼはじめてのため助けてもらう場面ばかりですし、ほかのケアマネジャーの支援のようすを見て視点の違いに気付かされることも多い。多職種で利用者さん像を共有し、より良い支援のありかたを考えることにやりがいを感じています。あとはどんなに長くやっていても、訪問を楽しみに待ってくれている利用者さんに会うのはやっぱり楽しみですね」
高校生のときからボランティアをはじめ、大学では障がい者の外出支援や児童相談所で相談やスポーツ、遊びを通じて児童との関わり方を学びました。当然のように将来は福 居宅介護支援事業所の管理者業務のかたわら、数年前から力を注いでいるのが、祉業界を志望し、道内の社会福祉協議会に就職。以来、30年以上福祉の道一筋でやってきました。
仕事をするうえでさまざまな苦労はあれど「ピンチはチャンス」が秋場さんのモットー。これを実感した社協時代のエピソードがあります。担当していた若年認知症を患う女性が不審な行動をしていると団地の管理組合からクレームが入り、慌てて訪問することになった秋場さん。そこで思いもよらず、団地住民の高齢化にともなう課題について相談を受けたことから、保健師とも共同してサロンを開催することになったのです。団地内で利用者さんを見守ることができただけでなく、新たな関係性も生まれる機会となりました。
「利用者本人を中心に医療機関やサービス事業所、行政、町内会など、さまざまな関係機関との連携の必要性も再認識し、より効果的な支援につなげるヒントを得られた出来事でした」と振り返ります。

ワークサポートケアマネとして介護離職防止にも注力

居宅介護支援事業所の管理者業務のかたわら、数年前から力を注いでいるのが、ワークサポートケアマネジャーの活動です。これは、企業に勤務する社員に対し、仕事と介護の両立や介護離職防止の支援を行う認定資格。
年々、ケアラー支援の必要性が高まっていることに加え、地域活動も並行していきたかったというのが活動をはじめた理由だといいます。
「介護者を抱えながら働くケースはなかなか表面化しにくく、相談先もほぼありません。年間10万人が介護を理由に仕事を辞めているのですが、その経済損失は年間10兆円ともいわれています。企業と連携を図りながら社員の生活を守り、企業にとっても貴重な人材が流出する事態にならないよう支援していければ」
このほか北海道のケアラー支援アドバイザーという立場からも啓発活動に勤しむなど、ケアマネジャーの役割を最大限発揮し、多様な活動に精を出す秋場さん。その原動力はどこにあるのでしょうか。
「意外とケアマネジャーというのは孤独な職業で、思考が偏ってしまう恐れもあると感じています。だからこそ、さまざまな人と関わって情報交換し、視野を広げることが利用者さんのためにも、自分のためにもなると思っています」

秋場さんに聞きたい!

Q ワークサポートケアマネジャーとはどのような職種ですか。

A 家族などの介護を抱えている社員が、仕事と介護を両立できる社会を目指し、介護をしながらでも意欲的に働けるようサポートする専門職です。

ワークサポートケアマネジャーとしての認定を受けるには、一般社団法人日本介護支援専門員協会が開催する「ワークサポートケアマネジャー養成研修」を受講する必要があります。主任ケアマネジャーや実務経験といった条件をクリアした方が受けることができます。
企業と契約して社員へのアンケートや実態調査のほか社員の個別相談を行います。
資格が創設されてから3年目となり、少しずつ注目が高まっています。

秋場 隆章さん

今回お話を聞いた方

秋場 隆章さん

ご近所テラス札幌 管理者

介護にお悩みの方、仕事と介護の両立について詳しく知りたい方はお気軽にご相談ください!

株式会社ネクスド ご近所テラス札幌
札幌市西区発寒6条9丁目1-10 2階
TEL:070-1254-9751

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