MSW・桒原さんと考える 地域連携のあり方~対談編~

桒原さんと考える

病院での状況がわかる情報提供にこだわりたい

桒原 当院が開設した際に、神さんが挨拶に来てくれて以来のお付き合いです。神さんはその頃、駆け出しのケアマネジャーでしたよね?
 そうですね。訪問介護やサービス付き高齢者向け住宅の管理者を経て、初めてケアマネジャーとして働き出したばかりでした。そんな経験の浅い私でも、桒原さんからのファックスは断トツで細かく、丁寧でわかりやすかったです。どんな疾患があってどんなリハビリが必要なのか、病院にいるときの状況がとても想像しやすいんです。
桒原 それはうれしい。支援をバトンタッチするケアマネさんには、当院での状況がわかるように出来る限り情報提供書に細かく書いて渡すようにしています。電話で伝えるにしても、どんな方でどんな理由でリハビリが必要なのかは意識的に伝えるようにしています。結果的に、それが患者さんのためになるので。
神 それはビシバシ感じてますよ(笑)だから受け取る側も精いっぱい応えて、病院にもご本人様にも迷惑にならないようにしなきゃって思います。
桒原 でもコロナ禍で、当院では外部の方が患者さんと会うことはまだ制限しているため、色々歯がゆいですね…。本来は入院中にケアマネさんが来てくれて、患者さんご本人とお話しいただくのがベストですよね。
 そうですね。コロナ前までは、ご本人様に会うために足しげく通っていたんですが、それができない今は、とにかくワーカーさんからの情報が頼みの綱ですね。
桒原 神さんは、退院前に患者さんのご自宅に行っていただくことが多いのですが、すごく助かっています。そのときの様子もフィードバックしてくれるので、ご家族がどう考えているかもわかったうえで、支援のあり方を見直すこともできます。

地域に味方をつくることで断らない支援ができる

桒原 いつも無茶なお願いばかりですみません…。相談するときに一応、これって対象エリアかな?と一瞬頭をよぎったり、退院までに時間がないときもあるのですが、結局、気軽に相談しちゃっています(笑)
 全然いいですよ! 明日でも何でも。
桒原 その一言がどれだけ心強いか…。神さん、とにかく「ノー」を言わないんですよ。
 そうですね。基本的にできないことはないというか、対応できるように手当たり次第、関係機関に連絡したり、手段を見つけるのが好きなんです。結局、大抵のケースが何とかできますから。逆に「ノー」と言われたら、違うところから埋めていって「ノー」を言わせない状況に持っていく(笑)
桒原 (笑)それすごく神さんぽい。「何とかなる」精神。でも僕も同じです。
 地域に味方をいっぱいつくれば、何とかなりますよね。だから私は顔を覚えてもらえるよう、病院やデイサービスなどに積極的に挨拶まわりに出向いています。
桒原 フットワークの軽さには驚きます。コロナ前は、「今からすぐ行きます」ってすぐに患者さんのところに飛んできてくれていました。神さん、本当に働いてるんですよね(笑)?
 たぶん働いてますね(笑)。ただ桒原さんにはためらいはないけれど、他のきちんとした(笑)、ソーシャルワーカーさんへの連絡はかなり考えますね。業務の違いもありますし、病院との連携はまだ十分ではないと感じているので。
桒原 そうですね。依頼を次の事業所に投げっぱなしとか、病院主体の関係性って、結局は患者さんのためにならないんですよね。きっとケアマネジャーさんも、ソーシャルワーカーから「医師の判断です」なんて言われちゃうと、それ以上の言葉を返しづらいですよね。院内と院外の緩衝材にもなるのが僕らの役割なので、そこはしっかり使命を果たしたいと思っていますので、これからもよろしくお願いします。
 今まで通り、ぜひよろしくお願いします!
――お二人の良好な関係性がうかがえるお話でした。ありがとうございました。

杉本 梢さん

今回お話を聞いた方

桒原 和也さん

地域連携室主任補佐。社会福祉士、介護福祉士

1985年、札幌市生まれ。福祉専門学校および福祉大学を卒業後、札幌市内の回復期病院に介護福祉士として入職。その後、医療ソーシャルワーカーとして医療法人渓仁会札幌西円山病院を経て、札幌渓仁会リハビリテーション病院に入職。

杉本 梢さん

今回お話を聞いた方

神 友美さん

セントケア北海道株式会社 セントケア札幌居宅介護支援事業所 ケアマネジャー / 介護福祉士

ホームヘルパーとして介護業界に飛び込んで以降、小規模多機能型居宅介護やサービス付き高齢者向け住宅の管理者を経て、セントケア北海道株式会社に入職。

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