働くひと 私の街のカイゴの『わ』

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最高のチームワークで利用者の普通の生活をかなえる

わだかまりは即クリアし風通しの良い組織づくり

看護小規模多機能型居宅介護の管理者となって9年目を迎える山下圭蔵さん。「チームワークが最高の今が一番楽しい」と話します。
2013年の同事業所開設時に管理者に抜擢され、ゼロからチームをつくってきました。管理者として心がけているのは、インシデントやアクシデントがあった場合は、原因や経緯をオープンにし、スタッフ全員で共有すること。「どんなに気を付けていてもミスは生じてしまうものですが、大事なのはその後の対応です。ミスを起こした人が1人で責任を抱え込むのではなく、みんなで共有して再び同じ間違いを起こさない仕組みを考えています」と山下さんは言います。
それは、スタッフが辞めない職場をつくっていくうえでも大事なポイントになっています。例えばささいなことから職場の人間関係がこじれたときなどは、できるだけ早期に当事者同士が会する場を設け、山下さんも交えて互いの気持ちを話し合うようにしています。山下さんは、「第三者も交えてさらけ出して話すことで、単なる誤解だったと思えるかもしれないし、どちらかが間違っていても謝って解決を図ることができます。わだかまりは出来るだけすぐにクリアにし、前向きに改善していくことで風通しの良い組織に成長してこれたように思います」と話します。
風通しの良い組織はスタッフ一人ひとりの働く意欲の向上にもつながっており、事例研究などスキルアップを図る取り組みも盛んだといいます。「病院とのカンファレンスの際、スタッフが医療職とも対等に、根拠にもとづく議論を交わす姿に頼もしさを感じています」

山下さん

今回お話を聞いた方

山下 圭蔵 さん

管理者

利用者を丸ごと支えたいとMRから介護の道へ転身

管理者兼ケアマネジャーとしてチームをけん引する山下さんですが、この仕事に就いたのは30歳を過ぎたころ、しかも製薬会社のMRからの転職というちょっとめずらしいケースでした。
MR時代は、売上というノルマに追われ、土日は接待に明け暮れる毎日に疲れていました。しかも薬を扱っているのに関わらず、関わるのは医師だけで実際に使っている患者さんとは接することもない。その先も続けていくイメージが湧かず、漠然と何らかの資格を武器に働く方向性を思い描くようになりました」と振り返る山下さん。
そこで、決心したのがMRの経験も生かすことができそうな介護の仕事への転身でした。すでに妻子もいた山下さんでしたが、決めたからには退路を断とうと製薬会社を退職。2年にわたる専門学校生活と朝夜のアルバイト生活の末、介護福祉士の資格を取得しました。卒業後は、現法人に就職し、病院の療養病棟、短期入所サービスを経て、今の事業所の管理者となりました。
「利用者さんを丸ごと支えている実感があり、この仕事にやりがいを感じています」と語る山下さん。春には法人の新たな事業所開設にあたって、管理者を任されることが決まっています。「期待と不安が入り混じった気持ちでいっぱいですが、利用者さんの普通の生活を支援できるようなチームをつくっていきたいですね」と抱負を語ってくれました。

山下さんに聞く!看護小規模多機能型居宅介護Q&A

Q 泊サービスは長期で継続利用は可能?

A 基本的には在宅サービスのため、長期にわたる宿泊はできません。ただし、ご自宅に帰ることのできない事情のある方は、月1回以上の一時帰宅が可能であれば認められるケースもあります。まずはご相談ください。

Q 通院の送迎サービスはありますか?

A 独居の方であれば送迎サービスが利用でき、院内で診療に同行することも可能です。ご家族がいる方は、病院までの送迎のみ対応可能です。

今回お話を聞いた団体

勤医協ひがし看護小規模多機能型居宅介護こもれび

社会福祉法人勤医協福祉会

札幌市東区東苗穂5条1丁目11-1
011-789-3739

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