第十七回 杉本 梢 ✕ イベントの先に見える風景

参加者が心のバリアフリーをすすめられるイベントを毎年開催しています。
様々なマイノリティや境遇を抱えている方が参加できるよう、試行錯誤を重ねてきました。
継続して開催した先に見える風景
心のバリアフリーファッションショー2025
2025開催の特徴
一般社団法人日本心のバリアフリー協会と美容室さんもーるの共催で、5月18日に「広がれ!心のバリアフリーファッションショー2025」を開催しました。障害の有無や年齢、性別に関係なく、ファッションを通して交流ができるイベントです。2023年から毎年開催し、今年で3回目を迎えました。
18組の当事者モデルと共演者モデルが、ランウェイを彩りました。発信したいことや表現したいことをアナウンス原稿や演出を通して、観客席の皆様に届けます。会場は終始、拍手や手拍子が鳴り響き、モデルも観客もスタッフもそれぞれの立場で楽しんでいただけたようです。
モデルの募集は開催の半年以上も前から行います。今年も定員人数を超える募集があり、選考が必要でした。
心のバリアフリーを広めるためには、新しい方にも多く参加していただく必要があると考え、新規の参加者を中心に出演をしていただきました。
また、九州や中国地方など道外からの参加者も多く、このショーの存在が全国に認知してもらえるようになってきたのだと感じています。
継続した先に見えた風景
このショーは、障害がある方が当事者モデルとして出演されるケースが多いです。2年目までは、少しのサポートでランウェイを歩き切ることができる方の参加が大半でした。3年目は、実際にやってみて様子を見ながら参加してみたいという希望をお持ちの参加者が多くいらっしゃいました。
「長い間、自分の席に座り続けられるのか」「歩いている最中に立ち止まる可能性や最後まで歩き切れるかわからない」といった相談を事前に受けていました。共催の私たちは、ランウェイを歩き切ることが目的ではないと考えています。このショーは、誰もが挑戦できる場でもありたいと思っていることをお伝えし、様子を見ながら参加をしていただくことにしました。
リハーサルの段階で難しさを感じている方もいましたが、事前にランウェイを歩いた経験や一緒に歩く共演者モデルの方と交流する中で知り合えたこと、会場の温かい雰囲気により、本番は堂々とした姿で全員がランウェイを歩き切りました。
ご本人やその家族が「障害の特性によってモデルとして参加が難しいかもしれない」と思いながら、1年目と2年目をライブ配信や観客席から参加してくださったこと。1年目の開催から今に至るまで、口コミで私たちが大切にしていることが伝わっていったこと。このように、継続して開催してきたことによって、様々な境遇の方に参加していただけるようになったのだと感じています。
ランウェイの後の交流会でも、それぞれの障害の特性に合わせて自由なスタイルで参加してくださっている様子を見て、目指してきた形にまた一歩近づけたと確信できました。
これも、1回目の開催から参加をしてくださったモデルの皆様、ボランティアや技術者、観客席や協賛金でのご協力をしていただいた方々の支えがあったからこそです。
開催後も当日の様子を動画でご視聴いただくことで、心のバリアフリーをすすめることができます。YouTubeチャンネル「梢の心になるほど隊」にライブ配信のアーカイブを投稿しています。
ぜひ、こちらのQRコードからご視聴ください。
また、このショーは協賛金によって運営を行っております。来年も再来年も継続し、開催することで誰もが参加できる場所として、参加者が心のバリアフリーをすすめられる場所としてあり続けたいです。そのためにも、個人または法人の皆様からのお力添えが引き続き必要です。ぜひ、こちらのQRコードから詳細をお読みになりご検討いただけると幸いです。
心のバリアフリーをすすめてみませんか?
社会には、障害に限らず、年齢や性別、病気、国籍、性格や生き方など、様々な事情を抱えている方がいます。障害への理解がすすみ、障害当事者が生き生きと過ごせる社会は、様々な立場の方も受け止められるようになります。 障害がある方もない方も、それぞれの境遇を認め合い、優しい気持ちで共に過ごせる社会の実現には、一人一人の心のバリアフリー化が必要不可欠です。 当法人では様々なスタイルで心のバリアフリーをすすめられる機会をご用意しています。
●講師依頼
地方自治体や地域の団体に、障害を含むマイノリティへの理解啓発の講演会や研修会を通して、心のバリアフリーを広げています。
また、障害者雇用に取り組む企業や就労支援を展開する事業所をサポートしています。雇用に取り組む側にも支援する側にも欠かせないものの一つに、社内や支援員の心のバリアフリー化が挙げられます。
ヒアリングを行い、ご要望に応じて必要なサポートを致します。
●PRのお手伝い
YouTube、Instagram、TikTok等のSNS総合フォロワー約10万人。障害当事者やその家族、障害福祉関係者に届けたい情報がございましたら、PRをお手伝いさせていただきます。
お問い合わせ先:当法人のホームページのお問い合わせフォームからご連絡お待ちしております。

今回お話を聞いた方
杉本 梢さん
一般社団法人 日本心のバリアフリー協会 代表理事
当協会は、障害を含むマイノリティについて正しく知る機会をあらゆるスタイルでご用意することで、社会に心のバリアフリーを広げています。HPはこちら:https://lululima-branch.com/