第十九回 杉本 梢 ✕ 障害者雇用の社内理解

梢の心になるほど隊

障害者雇用で障害を理由に退職をしたことが何度かあります。その経験を活かし、現在は障害者雇用サポーターとして企業と就労支援、障害当事者の橋渡し役として様々な取り組みを行っています。

障害者雇用で挫折を味わった私だからこそできること
障害者雇用の支えとなる心のバリアフリー

障害者雇用の支えとなる心のバリアフリー

はじめての就職は、障害者雇用で大手企業の正社員として働きました。様々な部署に応援に行くことが多いため、共に働く同僚は障害者雇用のことも私の障害のことも知らない状況は珍しくありませんでした。それが故に、視覚に障害がある私には到底こなせない業務が割り振られることもありました。担当者に理由と共に難しいことを伝えると「メガネをかけている社員は他にもたくさんいる。弱音を吐かず頑張りましょう」と言われ、弱視への理解を求めるのは簡単ではないことを知りました。  現在は、障害理解や障害者雇用の専門家なのでどう対応したらよいかわかります。しかし、当時18歳の私は我慢や無理をしてしまい、結果的に身体不良や視力低下を招いてしまいました。その後も、障害者雇用で障壁に感じるのは、共に働く人たちの理解を得ることが難しいという現実でした。  しかし、その経験によって、障害者雇用は心のバリアフリーによる社内理解が重要であることに気が付きました。私のもとには、当事者から障害者雇用に関する悩みの声が届きます。大半は、心のバリアによる先入観によって社内での理解が得られないことが原因です。 また、専門家として様々な企業の成功例に触れる機会があります。成功に繋がる取り組みを紐解いていくと、社内理解を促進するための工夫が必ず盛り込まれています。

企業に社内理解の大切さを届ける

 障害者雇用に取り組む企業に向けて、生産性が高められる障害者雇用の取り組み方や社内理解の大切さを、講演会や研修会でお伝えしています。企業はどう対応したらよいか、悩んでおられます。もちろん、障害への具体的な配慮も大切です。 しかし、当事者の声を聞くと、それ以上に共に働く同僚の方への心のバリアフリーを必要としています。

障害福祉の存在を多くの方に届ける

 普段、就労支援の事業所向けに、障害者雇用に関する研修会も行っています。そういった取り組みと並行し、当事者に就労支援の存在を知らせる必要があると思っています。特に人生の半ばで障害を抱えた方は、障害と共にどう過ごしていけばよいのかわからず、途方に暮れている当事者も多くいます。社会に就労継続支援や移行支援への認知が進めば、当事者や周囲の方たちにも情報が届けられると考えています。  そこで、Youtubeアカウント「梢の心のなるほど隊」の中で「梢のとつげき隊」という企画名を掲げ、月に1度のペースで動画を投稿しています。クックデリ株式会社の社会福祉研究所の方と一緒に、障害者施設や高齢者施設、就労継続支援事業所、グループホーム、相談支援事業所に足を運び、動画を通して発信をしています。  フォロワーの皆様から、「知らなかったことが知れてよかった」「有益な情報です」「毎回、この企画を楽しみにしています」などの反応があります。

様々な方法で心のバリアフリーを発信

2026年2月7日(土)13時半から「共生社会と人権に関するシンポジウム」で、心のバリアフリーの大切さをお伝えします。主催は、法務省/全国人権擁護委員連合会/東京法務局/東京都人権擁護委員連合会/公益財団法人人権教育啓発推進センターです。 YouTube「人権チャンネル」でライブ配信されます。

2026年2月10・11日(火・水)に、東京ビックサイトで「TOKYO障害者マッチング応援フェスタ」が開催されます。2月27日(金)には会場を変え、東京たま未来メッセでも開催されます。パネリストとして私も登壇します。大規模な障害者雇用に関するイベントです。詳細は下記QRコードからご覧になれます。

2026年1月18日(日)14時から「障害と共に生きる方法」というテーマで、オンラインセミナーを開催します。私が当事者としてどのように障害と向き合ってきたのかお伝えすることで、当事者の方の自己理解が進んだり、聴講者の方の心のバリアフリーが進められたりします。 詳細は下記QRコードからご覧になれます。

2026年2月28日(土)15時から東京都で「心のバリアフリーの軌跡と明日への歩み」というテーマでイベントを開催します。オンラインからも参加可能です。お申込み必須です。 詳細は下記QRコードからご覧になれます。 ※なお、心のバリアフリーサポーターの方はフリーパスです。

心のバリアフリーをすすめてみませんか?

社会には、障害に限らず、年齢や性別、病気、国籍、性格や生き方など、様々な事情を抱えている方がいます。障害への理解がすすみ、障害当事者が生き生きと過ごせる社会は、様々な立場の方も受け止められるようになります。 障害がある方もない方も、それぞれの境遇を認め合い、優しい気持ちで共に過ごせる社会の実現には、一人一人の心のバリアフリー化が必要不可欠です。 当法人では様々なスタイルで心のバリアフリーをすすめられる機会をご用意しています。

●講師依頼 地方自治体や地域の団体に、障害を含むマイノリティへの理解啓発の講演会や研修会を通して、心のバリアフリーを広げています。 また、障害者雇用に取り組む企業や就労支援を展開する事業所をサポートしています。雇用に取り組む側にも支援する側にも欠かせないものの一つに、社内や支援員の心のバリアフリー化が挙げられます。 ヒアリングを行い、ご要望に応じて必要なサポートを致します。

●PRのお手伝い YouTube、Instagram、TikTok等のSNS総合フォロワー約10万人。障害当事者やその家族、障害福祉関係者に届けたい情報がございましたら、PRをお手伝いさせていただきます。
お問い合わせ先:当法人のホームページのお問い合わせフォームからご連絡お待ちしております。

杉本 梢さん

今回お話を聞いた方

杉本 梢さん

一般社団法人 日本心のバリアフリー協会 代表理事

当協会は、障害を含むマイノリティについて正しく知る機会をあらゆるスタイルでご用意することで、社会に心のバリアフリーを広げています。HPはこちら:https://lululima-branch.com/

記事一覧に戻る