【第6回 服薬介助】あらためて抑えておきたい!ケアにまつわる基礎知識

目次
薬を扱ううえで知っておくべき知識について教えてください。
服薬のタイミングや副作用、品質管理について正しい知識を持っておくことが大切です。

高齢者に多く処方される薬で、覚えておいた方がいいものを教えてください。

高齢者施設で働いていますが、薬局や薬剤師さんと連携するにはどうしたら良いですか?
居宅療養管理指導という介護保険サービスがあるため、活用しましょう。
通院が困難な自宅療養者に対し、薬剤師が行う支援・指導であり、居宅介護サービスに関わる区分支給限度基準額には含まれないサービスです。
薬剤師が利用者さんのもとに出向き、薬の効果や副作用について説明したり、効果が現れなければ別の薬を提案するなど、専門性を活かしたサービスを提供します。また、ご自宅にある残薬を回収し、再活用することも可能です。残薬は、金額に換算すると年間30憶にも上るといわれ社会問題となっています。
同サービスは在宅患者訪問薬剤管理指導を届けている薬局であれば連携することができます。ただし、サービスの質はそこの薬局の経験や実績などにより差が生じるのは否めません。
例えば判断基準の一つとして、看取り場面等で注射剤を必要とするときは、無菌製剤処理加算を届け出ている薬局のみサービスが提供可能です。
ちなみに当社でも薬局に無菌調剤室を設け、在宅患者さんの対応に努めています。このほか、北海道薬剤師会のホームページでも届出状況を確認できます。
薬にまつわる知っておいた方が良いトピックスはありますか。
日々進化する認知症の知識については、アップデートしておいてください。
これまでの認知症は、進行速度を緩やかにするものや認知症にともなう症状改善を図るもので、認知症を初期段階で治療するものはありませんでした。
しかし、国内において、2023年9ガツに「ドナネマブ」の製造販売が承認されるなど、新薬の開発が進んでいます。一般的に使われるようになるまでまだ時間がかかると思いますが、覚えておくといいでしょう。

今回お話を聞いた方
木崎 啓介さん
メディカルファイブ株式会社
「クスリ」は逆から読むと「リスク」にもなります。使い方次第で良い効果もあれば、危険性もあります。薬剤師と連携するほか、正しい知識を身に付けましょう。