医療・福祉のネットワーク探訪記 ~マチツナガルラボ編~

医療・福祉のネットワーク探訪記 ~マチツナガルラボ編~

さまざまな専門家がつながって安心して暮らせるまちをつくる

ジャンルを超えてあらゆる悩みの解決を図る

子育てから人生のラストまで、安心して暮らせるまちを目指す――。これをコンセプトに、2020年7月に〟開村〝したのが「マチツナガルビレッジ」です。母体となるのは、一般社団法人マチツナガルLABO。大和市内でケアマネジャーや管理者、デイサービス経営などを行っていた仲間同士が、介護・医療のジャンルや制度の枠組みを超えた支援をしたいと立ち上げた組織です。理事長を務める石井直樹さんは、「さまざまな人たちが集まって交流するなかで、化学反応が起きて新たな価値が生まれる実験場をイメージし、ラボと名付けました」と説明します。「マチツナガルビレッジ」は、そんな活動のなかで生まれた取り組みです。
会員を表す〝村民〟には、現在、12団体が登録。訪問看護ステーションや薬剤師、就労移行支援事業所といった福祉関係者から、葬儀やIT関係など幅広い業種の専門家が揃い、市民から寄せられる悩みの解決を通じて安心な町づくりを目指しています。これまでの相談事例として、 がんと診断された家族の生活のサポートをはじめ、独居高齢者の介護保険申請への支援、減薬や健康的な食事のアドバイスなどを行ってきました。
相談は、主にケアマネジャー資格を持つ村民から寄せられるパターンが大半。そこから月に1度開催するビレッジミーティングやSNSを通じて村民間で情報共有され、適切な人や場所につなぐ流れです。

無理なく成長を続け市民に必要とされる存在に

地域のネットワークは大切である一方で、こうした地域のつながりは継続が容易ではないことはしばしば指摘されます。石井さんは、運営のポイントについて次のように話します。
「マチツナガルビレッジは、あくまで村民の生活と並行してあるものと捉えています。いつまでに何かをするといった時間的制約のあるプロジェクトとは違い、互いに無理なく協力し合って成長していくなかで、相談をときにはボランティアとして、ときには村民の本業につなげて解決することもあります。村民税もいただくことで継続した活動を目指しています。組織が大きくなり過ぎても誰かの負担になってしまうため、将来的には小集団ごとに運営するやり方とし、小さな村をたくさん作ってくようなイメージを理想としています」
今後は、新聞の発行やお祭りの開催なども通じて活動を広くピーアールしていくつもりです。
「これからも、誰かの悩みを村民やつながりのある誰かが解決できるようハブとしての役割を発揮していきたい。ゆくゆくは大和市全域に貢献できる存在になっていきたいですね」

石井さん

今回お話を聞いた方

理事長の石井さん

子育てから人生のラストまで

大和のくらしの情報を集めるプラットフォームをつくり、生活の中に安心と楽しみを増やすことに取り組みます。子育てから人生のラストまで顔の見える関係の中で、多世代の方が「安心して暮らせるまち大和」を目指していきます。

マチツナガルビレッジの村民紹介

これまでに開催した研修会

マチツナガルラヂオ
マチツナガルLABOメンバー3人が、FMやまとのラジオ番組でパーソナリティとして大和市の情報発信を行っている。

喫茶マチカド〜介護とくらしの相談所〜(居宅介護支援事業所)
ケアマネジャーによる介護の相談受付のほか、終活や葬儀などについて村民ほか専門家につなげる場所。

今回お話を聞いた団体

一般社団法人マチツナガルラボ

「マチツナガルラボ」の活動に興味のある方、お困りごとがある方は、お気軽にお問合せください!
村の管理事務所
神奈川県大和市南林間1-18-16白杉店舗201号室 喫茶マチカド 介護とくらしの相談所内

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