医療・福祉のネットワーク探訪記 ~おおた高齢者見守りネットワーク(みま~も)編~
目次
福祉専門職と協賛企業で安心して暮らせる街をつくる
高齢者5万人が登録する見守りキーホルダー
「おおた高齢者見守りネットワーク(みま〜も)」は2008年、高齢者が安心して暮らせる街づくりを目指し、専門機関と地域団体、企業等によって発足しました。当時、東京都にある大田区地域包括支援センター入新井のセンター長を務めていた発起人の澤登久雄さんは、経緯について次のように説明します。「地域包括支援センターには、常にたくさんの相談が寄せられますが、それはあくまで私たちの存在を知っている方だけ。一人暮らしの認知症高齢者などは自ら声をあげることはなかなか難しい面があります。ならば業種問わず街全体で見守る仕組みをつくってはどうかと考えたのです」
地域に参加を呼びかけたところ、12人の福祉専門職や行政、協賛企業として地元の老舗百貨店などが賛同。専門職による「支援のネットワーク」と地域住民の「見守り支え合いのネットワーク」が連携し、高齢者の安心した暮らしを続ける活動がスタートしました。
まず力を入れたのが健康をテーマにした地域セミナーの開催です。メンバーが講師を務め、毎月欠かさず行うことで少しずつ地域における見守りの意識を醸成しました。
活動から2年目には、高齢者見守りキーホルダーの試みに着手。キーホルダーには、管轄の地域包括支援センターの連絡先と登録してある個人番号が記載されており、外出先で倒れたときや認知症で自宅がわからなくなった際に、迅速に本人の確認ができる仕組みです。65歳以上の高齢者が16万人いる大田区において、今や約5万人が登録するまで浸透しています。
〝らしくない専門職〟が地域活動のキーワード
ほかにも地域住民の活動の場と機会を提供する拠点となる「みま〜もステーション」、街づくりにかける思いを発信する「街づくりが元気!おおた登録事業」など、年月を重ね活動はますます充実したものになっています。
みま〜もの活動を支える協賛企業も、現在、約50社が登録するまで拡大を続けています。「活動は協賛企業の支援があるからこそ継続できます。そのため、セミナーなどで自社製品の反応を試す場としても活用できますし、異業種と交流できる場にもなるなど、企業としてのメリットがしっかりあることが大事。しかも協賛は1年ごとの更新制とすることで、企業側も自分たちが地域に対して何ができるかを考え、〝汗をかいてもらう〟ことを重視しています」と澤登さん。
最後に澤登さんは、これからの医療・介護の専門職に対して、こんなメッセージをくれました。
「自分の専門領域だけにとらわれずに地域に出て行ってほしいですね。キーワードは〝らしくない専門職〟です」
高齢者が安心して暮らせる街づくり
高齢者が安心して暮らせる街づくりのために、
地域の医療・福祉・介護の専門職が活動しています。
おおた高齢者見守りネットワーク
みま~もの活動アレコレ
~高齢者が安心して暮らせる街づくりのために~
活動その1 地域づくりセミナー
地域住民が、地域の医療・福祉の専門家や警察、消防などの機関から、地域全体での見守りの重要性や気付きの視点について学ぶセミナーを開催。
活動その2 高齢者見守りキーホルダー
管轄の地域包括支援センターの連絡先と、登録してある個人番号が記載され、出先などで倒れたときや認知症で自宅がわからなくなった際に、迅速に本人の確認ができるキーホルダー。
活動その3 みま〜もステーション
地域の人の活動の場と機会を提供する商店街の空き店舗を活用した拠点。2015年からはじめた「元気かあさんのミマモリ食堂」では、高齢者と社会との繋がりを取り戻す後押しを目指す。
活動その4 街づくりが元気!おおた登録事業
地域にある介護事業所、施設、薬局などが、地域に向けた街づくりのメッセージをステッカーに記し、実践につなげる取り組み。
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おおた高齢者見守りネットワーク(みま〜も)
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http://mima-mo.net/